Hちゃんママさんは北京で羊水検査を受けた経験談をシェアしてくれました。更に彼女はユエサオ(産後の母子の面倒を見る専門の保母さん)経験者でもあります。Hちゃんママさん、貴重な体験談をどうも有り難うございました!
出産日:2010年8月19日
性別:女の子
出生体重:2750グラム
出産病院:アムケア
出産方法:計画分娩・帝王切開
入院日数:6日間(帝王切開でも通常の場合、入院は5日間)
出産費用:4万元ちょっと
体験記
アムケアは、一応中国とアメリカの合資と詠っているものの、院内は普通に中国って感じです。医師も看護婦も全て中国人で、外国人スタッフは1人もいません。でも、ローカル病院と比べると設備がとても整っていて、院内もすごく綺麗だし、清潔感があります。また、ローカル病院と違う点は、予約をすればほとんど待たずに診察してもらえるところ。私が通院していた頃は、患者さんはほとんどが中国人で、時々欧米人を見かける程度、韓国人は1度だけ、日本人は1度も見かけたことがありませんでした。でも、実はけっこうアムケアで出産したという方いるはずなんですけどね
私は夫の仕事の休みの時を狙っての検診だったので、ほとんど週末に病院へ行っていたのですが、私の感じでは、平日の方が患者数が多く、週末は意外と空いてました。日本語を話せるスタッフはおらず、院内では主に中国語、英語、それと朝鮮族の通訳さんが常在なので、韓国語も通じます。
毎回の検診では、まず待合室の一角で看護婦が血圧測定、体重測定、検温をして、それが終わると医師と対面し、その日の検査内容を説明されて、エコーや採血などの検査が必要な場合は別室へ移動、全ての検査が終わると再び医師との対面、検査結果が出ているものがあればそれの説明などをしてもらい、それから次回の予約日を決めて、会計へ。というような流れでした。
診察してくれる医師にはランクがあり、予約時にそれを選べるのですが、私は一応大事をとって専家を選んでいました。でも、ベテランの医師となると、必然的に年配の医師も中にはいて、何度かお婆ちゃん先生に診てもらうことがありました。毎回診察で会う度に「あなた、今日が初めてよね?」と聞かれ、この先生まさかちょっとボケているんじゃ??と不安になったことも(爆) ベテラン医師でも、やはりあまり年配の場合には他の医師にチェンジする方がいいと思います。また、何人もいる医師の中から、自分に合った医師を見つけることも大事です。ただでさえデリケートな妊娠時期ですので、本当に信頼のおける医師との出会いってすごく大きな意味があると思うからです。アムケアの医師と看護婦は全て女性なので、その点は他の病院とは違い、かなり安心できましたね。(
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アムケアでは、検査内容は妊娠周期によって一覧表になっており、それに合わせて行う感じでした。私は毎回でもお腹の赤ちゃんの様子を知りたくて、エコーをして欲したかったのですが、結局通院中でエコーをしたもらったのは5回に満たなかったと思います。エコー検査が決められた妊娠周期にしかしてもらえませんでした。
決まったプログラムの検査費用をセット購入すると、多少割引きになるようです。(私はセット購入しませんでした)
採血をしなければならない日には、空腹で病院へ行き、採血が終わると、院内のテラスで朝食セット(牛乳、ゆで卵、パン)がもらえて、それがすごく嬉しいサービスでした。(
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アムケアでの色々な検査は、それが当たり前なのかと思って私は全く気にしていませんでしたが、他の病院で出産したお友達に話を聞いてみると、どうやらあれこれ検査内容が多過ぎるようにも感じました。それが本当に必要な検査なのかどうか、私は専門家ではないので何とも言えませんが、私がアムケアで受けたいくつかの検査は、他の病院では行っていないのかもしれません。アムケアは検査が丁寧なのかもしれませんが、その検査結果の良し悪しによっては、妊婦を不安な気持ちにさせるものもあると思います。
私の場合、エコー結果やお腹の出具合などから、お腹の赤ちゃんが小さい小さいと医師から言われ続け、日本のような妊婦の体重制限など全く無く、「甘いものもどんどん食べなさい、妊婦用の粉ミルクを飲みなさい」と言われ、言われた通りにケーキやチョコレートなど、食べたいものを食べたいだけ食べて、妊婦用粉ミルクもあまり美味しくないのですが我慢して飲み、結局最終的には妊娠前の+14キロくらい太ってしまいました。
妊娠中期に、任意の検査でクアトロテストというものがあります。採血をして、その結果から胎児の染色体異常のある確立を割り出すものです。この検査は、恐らく高齢出産の方に医師から勧められるものだと思われます。でも、私の場合は高齢出産ではなかったものの、1回目の妊娠で胎児に異常が見つかったため、任意ではなく絶対に受けなければならない検査でした。
クアトロテストは、次のステップの羊水検査をするかしないかを決めるための一工程のようなのですが、クアトロテストは、あくまでも確立の問題なので、あまり当てになりません。クアトロテストの結果で確立が高いと出たとしても、実際に羊水検査をしてみたら胎児には何の異常も見つからなかったというケースが多いと聞きます。でも逆に、クアトロテストの結果で低い確率が出た場合でも、実際に出産してみたら何か異常が見つかったということもあるようです。羊水検査でも見つけられない異常もあるようですが、羊水検査で発見できる異常は99.9%の確立で正しいそうなので、出産前にきちんと異常があるかどうか調べたい方には、クアトロテストはせずに、直接羊水検査をすることをお勧めします。
羊水検査は羊水中の染色体を調べる検査なので、赤ちゃんの性別も確実にわかるというメリットもあります。ただ、100%安全な検査とも言い切れず、中にはこの検査によって流産してしまう場合もあるようです。私が実際に経験した感じでは、それほど危険な検査とは思いません。3回もお腹に針を刺されましたが、流産の危険性は全くなかったし、検査後も出産まで何の問題もなく順調でした。羊水検査には賛否両論あると思いますが、私としては、もしまた妊娠したとしても、やっぱり羊水検査は受けようかなと思います。
クアトロテストはアムケアでしてもらえますが、その後の羊水検査はそれ専門の病院へ紹介状を持って行かなければなりません。北京で羊水検査が一番有名なのは、協和病院のようです。協和病院の産婦人科で一度医師に診察してもらい(羊水検査の経験が豊富なのは劉先生という男の先生です)、必要な血液検査を受けた後、羊水検査の日にちを予約し、羊水採取をすると、それから羊水中の染色体の培養に1ヶ月くらいかかり、結果が出るのを待っている間、それはそれはもどかしい気持ちでいっぱいになります。それでも、待つことと祈ることしかできないんですよね〜。
私の場合は、3月下旬に一度羊水検査をしたものの、染色体の培養に失敗するというハプニングがあり、再度検査を受けることになり、最終的に結果が出たのが5月の中旬のこと。待ちに待った検査結果が出て胎児には異常がないことがわかり、ようやく訪れた遅めの春という感じでした。検査結果が出るまで本当に長い長い不安な日々でした。でも、きっと大丈夫!と信じてひたすら待ち続けました。検査ついでに赤ちゃんの性別も教えてもらい、女の子とわかりました。
アムケアでは、妊娠中期頃から任意で母親教室的な講義が受けられます。但し、一部有料です。私は2回この講義に参加しました。「母乳育児について」と「新生児のケアの仕方について」です。母乳育児のメリットや、授乳の仕方、赤ちゃんの抱き方、沐浴の仕方など、出産前に学んでおきたいことが学べてとても役立ちました。講義には、妊婦さん以外に、妊婦さんの実の母親又は姑さんと、中には旦那さんと一緒に参加している方もけっこういて、1人で参加している私の方が肩身が狭いような気がしました。
中国では、家族みんなで出産や育児に取り組む姿勢が感じられ、ここでもまた文化の違いに触れた気がしました。
我が家の場合、第3国に住んでいるため、双方の両親が長期滞在することも難しく、夫婦2人で出産に臨むことを決めました。そうなると、突然陣痛が襲ってきて病院へ行く時など、旦那が会社にいたら、私は誰にも頼れず、ちょっとパニックになってしまうかもしれないとすごく不安で、病院の医師とも相談した結果、計画分娩をすることに。夫が有給を取れるよう仕事があまり立て込んでいない時期に入院しました。
病室は個室で、メインのベッド以外にソファーとテーブル、冷蔵庫、加湿器、飲水機、テレビ、シャワートイレ付き。清潔でまぁまぁ広いです。簡易ベッドは言えば貸してもらえると思います。
食事は中華か洋食か選べますが、中華は院内の厨房で手作りなのに対し、洋食は病院近くのアニーズのデリバリーなので、中華を選ぶことを断然お勧めします。中華の方が栄養バランスもいいし、味も美味しいです。ボリュームたっぷりで、1人じゃ食べきれないくらい。妊婦のために鵜こっけいのスープなんかも出ます。それと、授乳を始めるとお腹が空き易くなるためか、おやつにお粥とか、夕食後にもパンと果物とかの軽食が出たように記憶しています。付き添いの夫の食事も電話1本で追加注文可能でした。
入院予定日の朝病室に入り、すぐに分娩室に移動して、陣痛促進剤を膣内に挿入。30分後くらいにはすぐに陣痛が始まり、気づけばお昼の時間になり、私が陣痛で苦しんでいるのに普通に食事が運ばれてきて、こんな状態でどうやって食べろと?と痛みに耐えながらちょっとイラっとしました。よく、陣痛の痛みの波が引いた隙にどうにか食べ物を詰め込むなんて話を聞いていたけれど、とてもそんな余裕はなくて、早くこの痛みから解放されたいという一心でした。
でも、赤ちゃんは下に下がって来てくれたのに、私の子宮口が全く開かず、無痛分娩を希望していたものの、子宮口がもっと開くまでは無痛の麻酔注射もできないので、待つしかないと言われて。。。痛みを逃すために歩くことも無理で、バランスボールの上に座ってみたり、ベッドに横になってみたり、じっと痛みに耐え待ちました。途中で胎児の心拍を調べてもらうと、かなり心拍数が上がってしまっていて、「このままでは危険なのでオペで出しましょう!」という思わぬ展開に。自分で産むつもりが急遽帝王切開になってしまいました。
手術室に移動してからはすごく速かったです。背中に無痛の麻酔を打ってもらうとすぅ〜っと痛みがなくなり、その後はもう先生にお任せでした。「では、始めます!」って言われたかと思ったら、しばらくしてすぐに「オギャ〜!!」と赤ちゃんの産声が聞こえてきて、あぁ〜生まれたんだ〜、と、感動はしたけれど何だかどこか他人事のようにも感じました。何せ感覚が全くないので。
中国のローカル病院では、手術室に男性の入室は厳禁らしいですが、アムケアでは夫もオペ着に着替えれば入室可能で、当初の予定では「夫が赤ちゃんのへその緒を切る」というバースプランを提出していたけれど、結局それはできず、看護婦さんにお任せとなりました。バースプランで自分の理想通りの出産に臨めるというところがアムケアのいいところかもしれません。その他にも、分娩室ではクラシック音楽をかけて欲しいなど、自分がリラックスできる環境を整えることも可能ですよ。(
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入院中に、出産祝いとして病院からケーキのプレゼントがあったり、院内の掲示板に貼るための記念撮影なんかもありました。そんなところも他の病院とは違うアムケアの特色かもしれません。
出産が終わると、赤ちゃんはすぐにキレイにしてもらって、必要なワクチンを打たれます。日本では生まれてすぐにワクチンを打つってことはないようですよね?私は病室へベッドに乗せられて移動、すぐに赤ちゃんも病室にあるベビーベッドに寝かされました。でも、私は麻酔で下半身が動かないし、産後8時間近くずっと点滴で、6時間は水も飲んではダメと言われ、ずっと我慢。陣痛で苦しんでいる間に汗をかいたせいか、もう喉がカラカラで。やっと点滴が終わってご飯食べられる〜!とうきうきしたのもつかの間、少量のお粥しか食べられずにショック。麻酔が切れれば、今度は傷口の痛みが襲ってきて。赤ちゃんにおっぱいをあげなくちゃ!と、頑張ってベッドから下りるわけですが、少し動いただけでもすごい痛くて、本当に辛かったです。涙 でも、かわいいかわいい赤ちゃんのためだったらどうにか痛みにも耐えられました。
授乳は最初全然うまくいかなくて、元々おっぱいもあまり張っておらず、赤ちゃんが吸い付いてもおっぱいが全然出ないので、お腹が満たされない赤ちゃんは大泣き。仕方が無いので、看護婦さんにお願いして粉ミルクを飲ませました。
授乳に、オムツ替え、初めてのお世話に戸惑う私達に看護婦さんが丁寧に教えてくれて、すごく助かりました。私が動けない分、夫が色々赤ちゃんのお世話をしてくれて、有難かったです。
自分達だけでは赤ちゃんのお世話も大変だし、やや寝不足気味になってしまったため、産後にお願いしておいたユエサオに早めに来てもらい、入院中から病院に寝泊りしてもらうことにしました。ユエサオとは、産後の赤ちゃんとママのお世話を専門にしてくれるお手伝いさんのことです。我が家のように、両親には産後のお世話を頼めない方にはユエサオはお勧めですよ。
なかなかおっぱいが出ない私のために、先生、看護婦さん、ユエサオがおっぱいマッサージをしてくれました。このマッサージ、乳腺のつまりを取り除くもの?らしく、ぐりぐりとやられるのでめちゃくちゃ痛くて、でも赤ちゃんのため!と涙を流しながら耐え続けました。でも、痛みに耐えた甲斐もあって、全く出なかったおっぱいが滝のように溢れ出したのです!!これには本当にびっくり、そして感動しました。自分の力ではどうにもできなかったことです。こうして、赤ちゃんに母乳を飲ませることができるようになり、それと同時に母になった喜びも更に実感できたように思います。
赤ちゃんは生まれた次の日から看護婦さんが時間になるとお風呂に入れてくれました。アムケアでは、病室にほとんどの入院に必要なものが揃えてあります。ママはパジャマ(入院着)を貸してもらえて、使い捨てスリッパもあり、汚露パッド、紙パンツも使い放題だし、赤ちゃんには下着、おくるみなどがもらえて、紙オムツとお尻拭きは何度でもなくなり次第看護婦さんに言えばもらえます。粉ミルクもたぶん言えば何度でももらえます。
入院時に必要なのは、汗拭き用のタオルやハンカチ、ママの下着、退院時の服、赤ちゃんの爪切り、赤ちゃん用靴下(赤ちゃんの足を冷やさないために履かせます)、ミトン(けっこう赤ちゃんて顔を引っ掻いたりしちゃうので、顔に傷を作らせないために手に嵌めます)、母乳の出具合によっては母乳パッド、それくらいでしょうか。足りないものがあれば、物によっては院内の売店で購入可能です。(私は売店で乳首保護カバーを買いました)
中国では普通分娩で3日、帝王切開でも5日。でも、私は少しでも長く静養したかったので、1日入院日数を延ばしてもらい、計6日間の入院で退院しました。
陣痛に丸1日苦しむ人もいたりするのに、入院したその日に、陣痛が始まってたったの数時間で、スムーズに出産してしまった私は、本当にラッキーというか、あまりにもあっけなく産んでしまって申し訳ない気持ちすらあります。
でも、私の経験からすれば、中国で出産するなら、それと出産費用が多少多くかかってもOKならば、帝王切開も「あり」だと思います。私も最初から帝王切開希望にしておけば良かったと思ったくらいです。
ただ、術後の傷口の痛みは半端なくて、トイレに行くためにベッドの上り下りをするのさえ一苦労で、ちょっと笑うだけでも痛いし、スムーズに動けるようになるまでにはしばらく時間がかかります。退院時に自力で歩くのやっとなほどでした。それに、お腹に傷も残ります。(10センチ程度)
色々と日本のやり方とは異なる部分もあるのだろうけれど、私は北京で出産、アムケアで出産をして、本当に良かったと思っています。先生も看護婦さんもとても親切に対応してくれたし、オペをお願いした先生(専家の教授クラスの先生)も腕が良く、傷口の痛みも術後1ヶ月くらいで治まりました。傷口の縫い方も上手だったようだし。いい先生にオペをしてもらえて良かったです。
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